四畳半編集部は水耕栽培で野菜を育てる事が出来るのか?
去年の春から夏にかけて自作の水耕栽培装置を作りました。
今回は1年の時を経てリベンジするお話です。
前書き
去年製作した自作水耕栽培装置に関してはこちらからご覧ください。
一言で言うと液肥の選択ミスで野菜が育つ環境を作れていなかった…というのが去年でした。
その後記事にはしませんでしたが、
液肥を変えて試した結果、ラディッシュ(はつか大根)の収穫には成功しました。
しかしながら、課題はまだまだありました。
これまでのいろは式水耕栽培装置
いろは式水耕栽培装置二号
こうなりました、いろは式水耕栽培器二号。
水面に付着しないようかごを上下反転させた。
また、水温変化を抑える為、水量を 約2~3倍に。
これで前回よりは変化がゆるやかになる…はず。光までの距離が近くなったので、
恐らく当たる光量も上がると思われる。など、その他細々改善。 pic.twitter.com/ITOVSFNDo9
— 秋為 いろは (@Q_xxxKey) June 22, 2017
基本の状態はここである程度出来ました。
水槽に100均で販売されているメタルラックを入れ土台に。
スポンジに種を植え、水槽用の照明で育てる、というものです。
いろは式水耕栽培装置V3
いろは式水耕栽培装置V3完成。
自動給水装置はこのままだと不完全なので、保留。
勉強しつつ完成次第導入。LED給水装置の都合上4つから3つへ下げる。
カバー出来ない部分はないので、問題無いかと。はつかだいこん17株を入れました。
残り3株は発芽次第合流。 pic.twitter.com/fjl930OEVj— 秋為 いろは (@Q_xxxKey) July 9, 2017
二号をベースにポールの浸水対策を施したり、
PC用の12センチファンを使用して送風機能を加えたりしました。
結果的に言うと浸水対策は全く意味が無かったり、
送風機能も水回りで使用してる影響で錆びたりしてしまい、
長期的に使用出来る環境ではありませんでした。
いろは式水耕栽培装置Ver.4
▲いろは式水耕栽培装置Ver.4
ということで、1年の時を経て『いろは式水耕栽培装置Ver.4(試作機)』です。
改善点をいくつかご紹介します。
改善点1. メタルラックポールの廃止
とにかく解決すべき問題はこれでした。
低いメタルラックポールが存在しない為、照明までの高さが低くなってしまいます。
なので、特別背の高いわけでもない野菜すら育てられないというデメリットがありました。
ポジティブに考えると水量を多く取れるので、
水温変化が緩やかに出来るというメリットはありますが…。
また、衛生面の問題もありました。
基本的に収穫までずっと水に浸りっぱなしなので、
防水対策を施しても浸水は防げず、錆びたりしてしまい衛生的によろしくありません。
そんなメタルラックポールですが、念願の廃止に成功しました。
「メタルラックを使うならポールを使う」という固定概念が散々去年の私を悩ませましたが、
「水回りで使える吸盤で吊せばいいだけじゃないの?」と先週気付き、導入しました。
何故こんな当たり前のことに去年気付けなかったのか…って感じです。
吸盤なので錆びを気にしなくてもいいですし、高さは自由自在に設定出来るので、
メタルラックポールより全然使い勝手がいいです。
Amazonで10㎏まで耐えられるものを購入したので、
設置にミスが無い限り水没する可能性はほぼ無いでしょう。
改善点2. 植物用LEDの導入
照明は水槽用のLEDを使用していますが、そこにテープタイプの植物LEDを貼りつけました。
照明の部分が若干赤や青っぽく見えるのがそれです。
去年、白色だけでも十分ラディッシュを育てることは出来たので、
「植物用のLEDを追加すると白色だけより、大きく成長出来るか?」というのが見所です。
照明系は全てACアダプタを必要とするので、あまり大差がないのであれば撤去します。
改善点3. PCファンによる送風を廃止
USB変換ケーブルを用いてPC用の12センチファンを送風機として使用していましたが、
効果があったとは言いづらい上に水回りなので錆びる、ムラがあるなどを理由に
Ver.4では廃止しました。
LEDがやはり熱を持つので、籠もった熱をかき混ぜる、追い出すという意味では
一定の効果はあったとは思います。
どうしても送風したいのであれば、クリップ型の扇風機を購入して
全体に当たるようにするのが恐らく最適解だと思います。
改善点4. アルミシートの撤去
改善と言えるのか微妙なところですが、
水槽の正面以外に台所で使うアルミシートを貼りつけていたのですが、剥がしました。
背面のみ、発泡スチロールにアルミシートを巻いたものを置いています。
本当は保温や光量を上げる意味でこれを4面に設置したかったのですが、
ちょっと面倒臭かったのもあり、1面だけです…。
詰まるところ「なんでそれをする必要があるの?」と考えると
主に水温の変化を抑えたかったのが理由なんですが、
今の時期であれば、低すぎたり高すぎたりすることはないので問題は無いのかな…と。
吸盤化した事により、左右が水面剥き出しになってしまいましたが、
それでも水温は22.4度と許容範囲内に収まってるので、
ひとまずこれで様子を見ようと思います。
続・それでもなお、改善の余地はある
早急に改善すべきものは概ね改善したつもりですが、
それでも改善すべき所はまだあります。
ひとつ目とふたつ目の改善案は1年前からとっくにわかってるのですが、
正直この形にこだわりたい…というところがあります。
水面はやはり光の当たらない状態にすべきだと思うので、
何とかしたいというのがひとつ。
吸盤によりポール問題は解決しましたが、土台が全く水が当たらないわけではないので、
長期的に見ればこれも何とかしたいというのがふたつ。
LED3つ、植物用LED2つ、エアーポンプ1つとたこ足配線状態なので、
何とかしたい…というのがみっつ。
エアーポンプ以外全てACアダプタで、その辺が更にゴチャゴチャさせます。
よっつめ。
『自作水耕栽培装置の紹介と課題』で課題として挙げていた
「給水の自動化」はちょっとスマートに作れず、また先送りしました。
自動化出来れば便利は便利かもしれませんが、
唯一の「育ててる感」が無くなってしまい、いっそ出来ない方がいいのかもわかりません。
もし今後作るとしたら、
ニッソーから販売されている「水足しくん」の様なシステムでしょうか。
【関連リンク】
チャーム
・ニッソー 自動給水器 水足しくん(ペットボトルで水足しくん)
http://www.shopping-charm.jp/ItemDetail.aspx?itemId=161876
使用している機材
『いろは式水耕栽培装置Ver.4』で使用した機材一覧です。
・【種】育てたい種
→これがないと始まりません。
・【液肥】協和株式会社 ハイポニカ液体肥料
→水耕栽培でも使える鉄板の液肥です。
・【水槽】寿工芸 アクアスタイル 450LOW
→これがないと始まりません。
・【LED】ジェックス クリア LED POWER X 450
→これがないと育ちません。
・【植物用LED】T-SUN 水耕栽培ランプ
→テープ式で必要な分だけカット出来ます。
・【エアポンプ】水作 水心 SSPP-3S
→空気を送るものです、水心は静かなのでオススメです。
・【エアレーション】貝沼産業 ニュータイニーバブル 45cm
→水中に泡を送ります、これで水が停滞しないようにしたり、水温を下げたりします。
・【エアチューブ】ニチドウ ワイヤーチューブ 2.5m
→エアポンプとエアレーションを繋ぐチューブです。
・【水温計】ニチドウ マルチ水温計CT
→水温22度~27度を確認する為に必須です。
・【土台】ダイソー 網棚
→この網棚にスポンジを挟んでいきます。
・【吸盤】Emoko 超強力 吸盤フック
→耐荷重10㎏までいけるかなり強力なものです。
・【スポンジ】ホームハイポニカ 水耕栽培 葉菜用培地 スポンジ 150株分
→カットする手間を考え、専用のものを購入しました。
・【アルミホイル】ホームセンターで売っていた普通のもの
→水面が極力照明に当たらない様にするためにアルミホイルで塞ぎます。
・【その他】ウォータータンク 10リットル
→給水用の水を保管しておく為のものです。
・【その他】プロホース
→タンクから水槽へ給水する為のホースです。
・【その他】発泡スチロール
→すき間を埋める為に使います。
ラディッシュの栽培スタート
▲『さくらんぼ』という品種のラディッシュ
というわけで、『いろは式水耕栽培装置Ver.4』を用いてラディッシュの栽培を開始しました。
今回は『さくらんぼ』という品種をチョイスしてみました。
名前が良いのと写真のラディッシュが美しかったのでこちらにしてみました。
成長のその様子はこちらの記事で随時更新していくので、
よろしければ併せてご覧ください。
編集後記
今日の作業はここまでです。
四畳半編集部的にはレタスの栽培を失敗したまま終わってしまっているので、
今年は収穫までご紹介出来たらいいな、と思います。
ご覧いただきありがとうございました。