PILOT『キャップレス デシモ/フェルモ』をレビュー

久しぶりの万年筆

去年の初夏にLAMYの万年筆をレビューしましたが、約1年振りの万年筆レビューです。

今回は私が一番使っているキャップレス デシモ/フェルモのお話です。

前書き

「ボールペンにあって万年筆にないもの」と考えると一番に挙がるのは、

「さっと書くことが出来ない」ということだと私は考えます。

万年筆というのは空気に触れていると乾燥してしまい、

書くことが出来なくなってしまいます。

なので万年筆で何かを書こうとする際は、キャップを外す必要があります。

そして「キャップを置く」という動作も必要になるので、

「さっと書くことが出来ない」わけです。

とはいえ、万年筆は嗜好品ですから、

ボールペンと同じ土俵に上げる時点で間違いなのかもしれませんが。

そんな万年筆ですがボールペンテイストに使うことが出来る

『キャップレス』シリーズというものがPILOTさんから出ています。

これは文字通り、キャップが無い万年筆なのです。

ケース

▲外箱

▲内箱

▲奥の青いのがキャップレスデシモ、手前のシルバーがキャップレスフェルモ

奥にある青い万年筆が『キャップレス デシモ』、

手前にあるシルバーの万年筆が『キャップレス フェルモ』です。

万年筆って買ったところによってケースが結構まちまちだったりするのですが、

私の場合はこのケースでした。

付属品は説明書とカートリッジタイプのサンプルインクが付属しています。

キャップレス デシモ

▲キャップレス デシモ

さて、まずは『キャップレス デシモ』の方ですが、こちらはノック式のスリムな万年筆です。

ボールペンと同程度の細さで、

万年筆を使ったことが無い人でも違和感無く使うことが出来ると思います。

▲ノック部分

▲クリップ部分

ノック部分はボールペンと違って、かなり長くなっています。

遊びの部分は無く、一番下まで押し切る必要があります。また、少々固いです。

万年筆はインク漏れ防止の為にペン先を上に向けて保管する必要があります。

ですから、ノック部分が下になるわけです。

簡単にノック出来ないようにする為、力が加わっても簡単に出てこないようにする為、

このふたつの理由からこういう仕様になってると思われます。

▲ペン先、キャップ部分にはデシモのロゴが入っています

上記の理由からクリップ部分はペン先にあるのですが、

「書く時、クリップ邪魔じゃん…」

そう思いますよね、私も思いました。

このクリップ、人差し指と親指で挟むと丁度ペン先が上を向いてくれ、

「どこが上向きだ?」と探す必要がないとても便利なクリップをしています。

最初は違和感ありましたが、私はすぐに慣れました。

ノックして、目視せずに万年筆で文字を書くことが出来るわけですから、

むしろとても便利です、慣れると戻れません。

キャップレス フェルモ

▲キャップレス フェルモ

続いて『キャップレス フェルモ』です。

基本的な構造は『キャップレス デシモ』と同じですが、

ノック式でペン先を出すのではなく、回転式でペン先を出す仕様になっています。

また『キャップレス デシモ』に比べて太めで重いです(後述)。

▲回転部分

▲ペン先

回転部分は溝があり、使いやすいようになっています。

どれぐらい回転させるとペン先が出てくるのか?ですが、これは360度です。

なので、デシモのように「片手でさっと書く」ということは出来ません。

いえ…やろうと思えば片手で回転させることも出来るっちゃ出来るのですが、

そこそこ力を必要とする為ちょっと苦しいです。

クリップ部分ですが、

『キャップレス デシモ』と違って持つ部分が若干えぐられています。

これがあることによって持ちやすいか?と言われると私は微妙なところです。

手の小さい方が持ち比べたら違うのかもしれません(私はかなり手が大きいので…)。

ペン先

▲ペン先

私はEFとFを持っていますが、両方とも18金、

コンバータは『CON-40』が使用可能です。

内部の作りは共通しているので、お互いに交換することが出来ます。

ネジの部分にくぼみがあるので、そこに合わせてセットします。

EFとFを書き比べ

▲色彩雫『月夜』

手元にEFとFがあるので書き比べてみます。

今回、インクは同じくPILOTさんの『色彩雫』シリーズの『月夜』を、

紙はマルマンさんのニーモシネを使用しました。

▲上がEF、下がF

▲拡大

拙い字でお恥ずかしいのですが、このような感じです。

万年筆の太さって何か規格があるわけではなく、メーカーによってまちまちらしいです。

(国内製は細く、海外製は全体的に太めだそうです)

PILOTのEFはボールペンでいうところの0.38㎜、Fは0.5㎜といった感じでしょうか。

色々気になるちょっとした問題点

EFを買う時は注意

細さだけで選べればいいのですが、そういうわけにはいかないのが万年筆。

私は細字のペンが好きで、最初に買ったのは『キャップレス デシモ』のEFでした。

…が、EFはかなりカリカリします。

買った当初はもうガリガリと言ってもいいぐらいでした。

書いているうちに滑らかになってくれると思い我慢して使っていましたが、

どうにも苦しくて銀座の伊東屋さんでちょっと手を加えてもらいました。

それで「カリカリする」という感じになりました。

一方Fですが、こちらはかなり滑らかに書くことが出来ます。

書き比べると驚くほどに違います、万年筆特有の書き心地でヌルヌルと書けます。

以上のことを踏まえ、EFを買う時はガリガリorカリカリの書き味がアリか?ナシか?と

自分と相談する事をオススメします。

チグハグなラインナップ

キャップレスデシモは8種類の色から選べますが、色によって選べるペン種が異なります。

【EF、F、M、Bの全てを選べる】

・ブラック
・レッド
・ライトブルー
・バイオレット

【F、M、Bを選べる】

・ダークブルーマイカ
・ダークグレーマイカ

【F、Mのみを選べる】

・パールホワイト
・シャンパンピンク

一方、キャップレス フェルモは下記のようになります。

【F、Mのみを選べる】

・ブラック
・ダークブルー
・ダークグリーン
・ダイヤモンドシルバー

他のキャップレスが共通して使用出来るのかは分かりかねるので、

今回はこの2種類に絞って考えますが、

とにかく色と種類によって選べるペン種がちぐはぐなんです。

前述通り、私は細字好きなので「EFのキャップレス」目当てで

ライトブルーを購入しましたが、他に欲しい色は正直ありました。

店舗によってはペン種が自由に選べる…らしいです。

ちょっと色々と記憶があやふやなので断言は出来ないのですが。

(横浜のロフトだったか、銀座の伊東屋さんだと思いますが…)

個人的にこの辺は色々と統一して選べるようにして欲しいなーと思います。

なので欲しい色に欲しいペン種が無い場合はお店に相談してみるといいかもしれません。

フェルモの重さ

『キャップレス フェルモ』は本体の重さが33~34gほどなんですが、

回転させる部分が異常に重いです。

文字を書く間、ひたすらその重い部分を背負って書くので

それはアリか?ナシか?っていう感じです。

私個人的には慣れると心地いい重さなので、まぁアリなのですが、

初めて使う方からするとその重さにビックリすると思います。

編集後記

以上、『キャップレス デシモ/フェルモ』をレビューでした。

『極黒』を飲ませて仕事用に使っても良し、

『色彩雫』、『ニーモシネ』のセットでアイデアツールとして使っても良し、

色々と入りやすい万年筆だと思います。

特に『極黒』は「あぁ、本当の黒ってこういう色だ…」と思わせてくれる黒さです。

万年筆はボールペンと違って気を使う道具ですが、

手間がかかるこそ愛おしく、思っているほど遠い存在ではありませんでした。

なにかのタイミングで一本、いかがでしょう?

ご覧いただきありがとうございました。

紹介した商品・関連商品